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農林水産省

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第2節 専門調理師等の活用における取組


一般社団法人全日本司厨士(しちゅうし)協会は、各地の保育所・幼稚園・小学校での親子料理教室などのイベント開催や福祉施設での継続的な慰問活動など、総合的な食育の推進・普及を実施しています。また、世界のシェフ団体と連携し、毎年10月20日をシェフズデー(Chefs Day)とし、その年の世界共通テーマに応じた活動を行っていますが、令和2(2020)年は、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、日本はこの活動を中止しました。

また、令和2(2020)年8月には、オンラインによる国際会議が開催され、会議の様子はFacebookでリアルタイム配信がされました。会議では様々な活動報告とともに、コロナ禍でのシェフの社会的責任(Chef Social Responsibility)に係る活動として、ロックダウンしたタイのバンコク市内で、リサイクル可能な容器での40,000食の弁当の配布を行ったことが報告されました。この活動は市民への温かい食事の提供とともに、シェフを雇う、デリバリーにタクシーを使うなど、短期間の雇用創出を実現しています。

さらに、世界各地に配属される公邸料理人の育成に当たって、希望者に情報を提供するとともに、和食団体との共催で講習会を開催するなど、伝統的な日本料理やその文化の普及に努めています。

公益社団法人日本調理師会では、食を通じて親子の心の触れ合いを図り愛情を深めるとともに、地域の特産品を主な食材とした手作り弁当により子供の味覚を育み、それによって食育の推進に寄与することを目的に、毎年「全国こどものための愛情弁当コンテスト」を開催しています。本コンテストでは、育ち盛りの子供たちに応募者が食べさせてあげたい地域の特産品を用いたお弁当レシピを全国から募集しており、最優秀作品2賞を決定しています。令和2(2020)年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、様々なイベント活動が中止になりましたが、地域の食材を使った伝統的な日本料理や郷土料理、西洋料理・中国料理などの部門を含めた料理コンクールを通じ、今後とも、日本古来の伝統料理の伝承や地産地消の推進について広く普及啓発していきます。

「全国こどものための愛情弁当コンテスト」最優秀作品  作品名:スマイルシャチホコ弁当

「全国こどものための愛情弁当コンテスト」
最優秀作品  作品名:スマイルシャチホコ弁当

「全国こどものための愛情弁当コンテスト」最優秀作品  作品名:<雪だるま3兄弟>ねずみ君ど~こだ!

「全国こどものための愛情弁当コンテスト」
最優秀作品  作品名:<雪だるま3兄弟>ねずみ君ど~こだ!

事例:シェフが各地の小学校で食育授業を実施

一般社団法人全日本司厨士(しちゅうし)協会

シェフによる食育授業の様子(鹿児島)

シェフによる食育授業の様子
(鹿児島)

特別メニューの準備をする鹿児島支部のシェフたち

特別メニューの準備をする
鹿児島支部のシェフたち

地元で生産された食材を使った特別メニューの給食

地元で生産された食材を使った
特別メニューの給食

食育イベントの準備の様子(東京)

食育イベントの準備の様子
(東京)

みんな一緒に楽しく食事!

みんな一緒に楽しく食事!

一般社団法人全日本司厨士(しちゅうし)協会では、全国各地の保育所・幼稚園・小学校で食育授業を開催しており、授業を通して食の大切さを理解してもらえるよう活動をしています。授業に当たっては、平成27(2015)年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の12番目の目標である「つくる責任 つかう責任」を念頭に置いています。地元の特産品を知り、おいしく食べることで地産地消の重要性を児童に伝え、さらに、好き嫌いをせず食べ残しがないようにすることで当協会が開催する食育授業が、食品ロスの削減の推進やひいては健康寿命の延伸につながる一助となるように心がけています。

西日本地方本部鹿児島支部では、令和2(2020)年2月に鹿児島市(かごしまし)立伊敷台(いしきだい)小学校において、シェフ10名が参加して、6年生の児童70名を対象に食育授業を行いました。女性シェフが講師役となり、地元で生産されたものを旬の時期に食べることがおいしく健康に良いとされる考え方を伝えました。また、鹿児島の特産物であるお茶やサツマイモ、ソラマメ、畜産業や漁業についても触れ、ブリやカンパチの養殖、郷土料理、食事マナー、さらに、おいしさを感じる人体の仕組みについても説明を行いました。授業の後は、鹿児島支部に所属するシェフたちが調理した特別メニューの給食を児童と一緒に食べました。メニューは、地元で生産された食材を使った、サツマイモ(安納芋)のクリームスープ、黒豚カレー、県内産の野菜サラダ、県内産鶏卵を使った特製プリンの4品。児童から「おいしい!」と好評で、用意した料理は全て完食されました。シェフたちも一緒に食事を食べながら、料理人の仕事や鹿児島の特産物、郷土料理について児童と話し、楽しく充実した時間となりました。

東京地方本部千代田(ちよだ)支部及び港(みなと)支部では、令和2(2020)年2月に千代田区(ちよだく)立千代田(ちよだ)小学校において、6年生37名と学校関係者6名の合計43名を対象にした食育イベント、第20回「フランス料理を楽しむ集い」を開催しました。30名以上のシェフが参加したこのイベントは、児童たちがフランス料理を身近に感じ、親しんでもらうことを目的としており、基本的な食事マナーや、料理の素材について分かりやすく説明し、児童の質問に答えるなど、有意義な食育授業となりました。食事の後には、児童全員に修了証とコック帽を渡しました。今回は学校と事前に打合せを重ね、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に十分配慮し、調理の際の手袋やマスクの着用、手洗い、消毒の徹底、調理スタッフの体調管理等、衛生面には十分に注意して開催しました。

新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえ、令和2(2020)年に予定していた食育授業等のイベントは、延期や中止したものが多くありましたが、全日本司厨士(しちゅうし)協会では、調理師及び専門調理師の技能の伝承にとどまらず、今後も広く食育授業を推進して、食の大切さを普及していきます。



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消費・安全局
消費者行政・食育課

担当者:食育計画班
代表:03-3502-8111(内線4578)
ダイヤルイン:03-6744-2125
FAX番号:03-6744-1974

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